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2013.11.25.(月)

12/1 出演者紹介 弾き語り編③「HIROSHI ASAKUSA」

梅原江史。MUSHA×KUSHAにおける蟲役者として、カリスマ的パフォーマンスを見せるバンドを象徴する存在。またの名を、HIROSHI ASAKUSA。彼のソロ活動の名義であり、自身で演奏し歌う、もう一つのペルソナ。

12月1日の『星めぐりの歌』で、彼はソロアーティストとして初めて福井に来てくれることになった。MUSHA×KUSHAのツアーでは何度も訪れている福井も、彼にとって新鮮に映るのではないかと、楽しみにしている。   

彼と初めて出会ったのは、僕が以前在籍していた一寸笑劇でMUSHA×KUSHAと対バンした時だった。印藤勢率いるSEI WITH MASTER OF RAMのイベントだった。一寸笑劇とMUSHA×KUSHAは、活動しているフィールドが遠からずも近からずといったところで、それまで対バンすることはなかったが、縁あって初めて会ったのは、僕がもう一寸笑劇の脱退を発表した後だったと思う。僕は観るのもその日が初めてだった。   楽屋に彼が到着して印藤さんに紹介された時の、彼の着ていたTシャツが何より印象的で、この人とは絶対話をしてみたい、と思ったものだ。彼は、イギー・ポップのTシャツを着ていたのである。ただそれだけのことだったけど、この人は僕のことをわかってくれるんじゃないか、また同じ風景を見る人なんじゃないか、と思わされた。彼の胸にプリントされたイギーが動き出すようだった。   

MUSHA×KUSHAのパフォーマンスは圧倒的だった。僕は、あんな表現をする人たちに、会ったことがなかった。音楽面を司るのは池田さんの歌であり、4弦ギター(!)である。軽々とギターを振り回しながら強烈なリフと歌を聴かせるその姿だけでも圧倒的だったのだが、僕が目を釘付けにされたのはその傍らで踊る蟲役者、つまり梅さんにであった。まるで闇の道化師、とでも形容したくなる風貌で、ダンスをする姿が、いつも見慣れたライブハウスの空間を歪めていく。それでいて、踊る彼から強いパンクを感じた。楽屋で見た、イギー・ポップが脳裏にこびりついていた。   

その日彼はHIROSHI ASAKUSAで別の場所でライブすることになっていて、充分に話すことはできなかった。再び会ったのは一寸笑劇を脱退した後、印藤さんのソロライブにコラボという形で参加することになり、上京した時だ。彼は僕が来るというので、ライブに来てくれた。お互い泥酔状態であれこれ話した。何を話したか、よく覚えていない。彼は呂律がまともに回っていなかったし、僕も視界がグニャグニャ曲がっていた。が、不思議な人で、昔からの仲間のような気分にさせられた。彼は、人を引き付ける魅力を持っている。   

その時に彼が一枚のCD-Rを僕にくれた。HIROSHI ASAKUSAの新しい音源だという。僕は彼のソロ活動を目撃したことがなかったので、どんなだろうとワクワクしながら聴いた。最初は印藤さんの家のオーディオで。スピーカーから再生されたのは、アコースティックギターの弾き語りだった。作詞作曲もすべて彼自身が行っている。どんな音楽かはここでは言いたくないが、期待通りであり、期待以上のものだったとだけ言っておきたい。僕はここでも衝撃を受けた。東京からの帰りのバスの中で、彼にもらったCD-Rを何回も聴いた。   

梅さんからは、「演じる」ということに関しての強い意識を感じる。それはMUSHA×KUSHAにおける蟲役者としての姿からもそうだし、HIROSHI ASAKUSAからもそれは感じる。歌詞や歌があるぶん、HIROSHI ASAKUSAの方がより身近に彼のパーソナリティーを感じやすい気はしている。しかし、どちらも彼の本当の面であり、彼を一元的に評価することなどできはしない。ただ、彼の歌詞から、彼一流の深い人生観を垣間見たのは事実だ。文化のあらゆる側面に理解を示す彼のあの感受性にも、僕は驚かされる。いかなる文化的マイノリティーであっても、彼はそれに対して深い愛情をもって接しているのを感じた時、僕は自分の偏狭さを痛感せざるを得なかったのだ。   

その後彼は故あって東京を離れ、新潟に移り住んだ。今は新潟が彼の本拠地だ。福井と新潟は同じ北陸地方に含められる時もあるし、そうでない時もある。距離的にもかなり離れているのだけれど、それでも僕は同じ地域の仲間、という気がして、何だか嬉しい。そして12月1日彼は『星めぐりの歌』にやってきてくれるが、どうやら僕が知っている形でライブをするつもりはないらしい。つまり、アコースティックギターの弾き語りという形で我々の目の前に現れるかどうかは、わからないということだ。一体彼は何をしようとしているのか。カリスマパフォーマーとしての血が、パンクロッカーとしての血が彼を騒がせている気がしてならない。12月1日、目撃するまでは誰にも真相はわからない。   

12月1日、『星めぐりの歌』。僕を含めて7組の出演者がそれぞれ自分だけの表現をしてくれるだろう。そのどれもが非常に楽しみだ。しかし、誰にも予想ができないぶん、僕は彼のパフォーマンスを一番楽しみにしているといっても過言ではない。何が起こるかわからない。だがそこに立っているのは、紛れもなくHIROSHI ASAKUSAである。 

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