Blog
ブログ2019.1.24.(木)
雑記51
★子供のころの話。岐阜で独り暮らしでよろず屋を営んでいる母方の祖母の家に行くと、夜9時ごろによく屋台の中華そばを食べた。その屋台は例の「チャルメラ」を鳴らしながら、夜9時ごろになると家のそばにやってくるのである。そうすると祖母が「哲也くん、中華そば食べるかね?」と言い、外まで買いに行く。しばらくするとサランラップで保温された中華どんぶりを持って帰ってくる。味はよく覚えていないが、夜の9時くらいに食べる中華そばがとても嬉しかった。晩ご飯は6時くらいに食べているので、普通は夜遅くにラーメンを食べるなど子供の時分には許されなかったのだが、その時ばかりは食べさせてもらえる。その中華どんぶりも中華そばの器らしい器で(四角のグルグル模様のやつ)、何とも風情があってよい。ところがその屋台、いつも祖母が外まで買いに行ってくれるので、僕は実際に見たことがないのだ。遠くに聞こえていたチャルメラがだんだん近づいてくる。そして中華そばを買って祖母が戻ってくると、またチャルメラを鳴らしながら遠くに去っていくのである。大体は夜に親が用事で出払っていて子供だけ残されている時に食べさせてもらっていた記憶があって、それはまるで夢のような出来事だった。その屋台も、あの静かな夜に響いているチャルメラの音も、すべてが幻だったんじゃないかという気がしているんだけど、もう30年も前の話、真相は確かめずにそのままにしておいた方がいいような気がしている。
★「チャルメラ」というのは楽器の名称であって、♪ドレミ~レド ドレミレドレ~というおなじみのメロディを持つ曲のことではない、と知ったのは後の話。木管楽器の一種ということである。
★初心者用トランペットのセットを購入した。「生まれ変わったら何の楽器をやりたいか」という質問にはいつも「トランペット」と答えている。吹奏楽をやっていたわけでもないし、トランペットはあまり触れたことがなかったのだが、二十歳くらいの時に聴いたマイルス・デイヴィスに憧れがあって、そう思うようになった。憧れはあるけど自分で持つことはないだろうな、って思っていたけど、最近は1万円くらいでトランペットが買えてしまう。先日ノーサイドに行った時にたまたま居合わせた人がトランペットを持って来ていて、みんなで触っていたんだけど、どうにもこうにも欲しくなってその場で衝動的にポチってしまった。
★今までいくつかの楽器を触ってきたが、トランペットは初歩の段階で一番難しい楽器だと感じる。とっつきにくいというか。ピアノは鍵盤押せばすぐ音が出るし、ドラムも叩けば鳴る。ギターだって買って2、3日後には何かしらのフレーズは弾けるようになっていた記憶がある。しかしトランペット。まず音を鳴らすまでが至難。普通に吹いて空気を送り込んでも「スゥ~」という空気が通る音がするだけで、あの音が鳴らない。トランペットは唇を振動させて楽器に伝え、それで音を鳴らすという仕組みになっているのだ。その辺の笛とは違う。それが特殊で、音を鳴らすまでが大変なのだ。とりあえず買った初日は音を鳴らすことに腐心した。でも「ベー」とか「ボー」とか情けない音が出るばかり。悪戦苦闘して、何とか「ド」の音が鳴るようになった。が、まだ音がフラフラだし鳴り方が汚い。「ド」の音が吹けないと「レ」に行けないし、フレーズや曲を吹くまでにはまだまだ時間がかかりそうだ。今は唇がジンジンして腫れぼったい。無駄な力が入っているようだ。
★正月も7日になると「七草がゆ」というのが日本的風習らしいが、ほとんど食べた記憶がない。この辺は家によるところだろうが、うちには少なくともそういう行事はなかった。昔『ちびまる子ちゃん』を読んでいたら七草がゆ、たいして美味くもないしありがたくない~みたいな話があって、別に食べたいとも思わなかったが、今になって最近では季節折々の行事はやりたいなあ、と思うようになった。今年は逃したが来年は七草がゆを食べてみたい。
★ライブがないので本を読んでいる。最近読了したのは横尾忠則の対談集、小川隆夫のジャズ楽屋話本、今読んでいるのは堀江貴文の『刑務所なう』とかヤマケイ文庫の遭難死についての本とか、キンドルの北大路魯山人の全集をちまちまとか、種々のマンガとか、僕は最近では並行して何冊も読む人らしい。
★映画も観る。最近観たと言えば話題の『ボヘミアン・ラプソディ』かな。横澤夏子が主演に抜擢された『えちてつ物語』とか。小劇場にも繰り出す。ジョン・カーペンターの旧作がデジタルリマスターされてリバイバル上映ということで、『ゼイリブ』『遊星からの物体X』を観る。家でも観る。アマゾンプライムでいくつか。20代前半くらいまで映画狂で近所のレンタルビデオ屋(結構マニアック。VHS時代)は端から端まで観ていたが、映画にしばらく興味を失っていた。最近また観たいと思う。ライブや制作が立て込んでいるとどうしても時間が確保できないが、ライブが最近ないのでここぞとばかりに観る。ものを書く感覚を高めたいので、レビューなどまた書くかも知れない。
★雪がほとんど降らない。今年は明らかに暖冬傾向。楽ではあるけど、微妙な気分。
★気を遣う人っていうのは、他人にも同じように気遣いを求めてしまうものである。
★バターチキンカレーを作ったが、トマトカレーみたいになってしまった。美味いは美味いんだけど。家で美味しいサグチキンを作ってみたい。
★「芸術か生活か、などという問題は日本では存在しない」と夏目漱石がどこかで発言してるのを読んだ記憶があるが、どこで読んだのか忘れてしまった。忘れてしまったけど、その言葉について考える。日本では、という条件は他では当てはまらないということなんだろうか?この発言の真意を知りたい。
★一月がもう終わろうとしている。うかうかしてると死んでしまうな。でもゆっくり過ごすことも人生の一時期には必要なことだ。