Blog
ブログ2017.7.11.(火)
オルタナツアー新潟編
6月2日。僕は新潟に向かっていた。この日から3日間、東京などで活動しているバンドtoxilas(トキシラズ)のアベシと新潟~秋田~酒田と日本海弾き語りツアーを回ることになっていた。
北陸自動車道をひた走り、僕は新潟市より随分手前の長岡で高速を下りた。目的はこれだ。
長岡駅前にある「レストラン・ナカタ」のカレーである。僕はここのカレーが大好きなのだ。最初は新潟でライブがあった時に友人が差し入れしてくれたのだった。それで好きになり、以来新潟に用事があるとこのレストラン・ナカタに行くためにわざわざ長岡に寄るという具合なのである。そのカレーを差し入れてくれた友人と、この日も会うことになっていたんだけどね。
カレーを大汗かきながら食べ終わった僕は(辛いのです)、新潟市内に向かった。この日は新潟GOLDEN PIGSでのライブだ。もう2014年にツアーイベント『仁義なき戦い』に参加した時に初めて訪れて以来、何度もライブをさせてもらっている。この先もお世話になることだろうライブハウスだ。
到着すると、この日から一緒にツアーを回る予定のアベシがすでに会場にいて、この日共演のHIROSHI ASAKUSAがリハーサルをしているところであった。彼、HIROSHI ASAKUSAはほんとの名前を梅原江史と言って、僕の友だちである。彼は普段MUSHA×KUSHAというバンドをやっているのだが、こうしてソロ活動をすることもある。とても変わった人だが、僕の友だちなのである。ナカタのカレーをくれたのは彼だった。実はカレーが我々の間をつないだと言っても過言じゃない。まあ、その話は別の機会に。入念にサウンドをチェックするHIROSHI。
アベシのことについても触れておかなければならない。僕は東京に住んでいたころ、一寸笑劇というバンドに在籍していたが、よく対バンしたりするバンドの中にDEEPというバンドがいた。そのDEEPがtoxilasと改名して、そのバンドは現在も活動中であるが、そこでベースボーカルをしているのがアベシという男なのだ。もうずいぶん長い付き合いになってきたが、彼と僕が本当に近い間柄になってきたのは、僕が弾き語りを始めてからである。だからここ4年くらいということになるね。僕がボーカリストとしてのキャリアをスタートさせ、彼もギター弾き語りの機会を増やしていた。いち歌うたい同士としての親密な付き合いは、最近になってからのことなんだ。彼と東京は四谷のライブハウスで弾き語り同士として対バンをした。それからお互いを意識するようになっていったのだった。アベシとのいち歌うたいとしての初対バンの模様→http://t-matsunami.com/blog/525/
本番前にHIROSHI…もうめんどくさいから梅さんと言っちゃうけど(笑)、梅さんが「アベシも誘ってお茶に行こう」と言い出す。「お茶なわけないな」と思っていたら、予定通り居酒屋にIN。ほんの軽くアルコールを摂取した。ライブハウスに戻るとすぐ、ライブが始まった。
1番手繋音(りんね)さん。優しい感じの弾き語り。…と彼女の出番中、突然控室に続くドアが開きかけた。HIROSHIが自分の出番と間違って出てこようとしたのだった。マジで狂っている。そんなに飲んだっけ?笑
そのHIROSHIである。持ち込み機材のアンプ(下記参照)を爆音で鳴らし、形容不可能なライブを行った。真相は現場にいた者のみぞ知る。事実としてあったのは、HIROSHIの刺し歯が飛んだこと、彼のギターの弦が2本ちぎれ飛んだこと、15分1曲のステージであったこと、死を覚悟した観客がいたということだった。ははは。
HIROSHIの持ち込み機材。爆音で鳴っていた。
迷子のちょうちょ。新潟の実力派デュオだ。渋春の心の中を見た。また彼らに会いたい。
この後、僕の出番。おそらく人生で一番疲れたライブの一つだった。笑
関西ツアーに引き続き、体力のひどい消耗はこの日もまだ続いていた。が、できることを精一杯やった。どう思われようと構わない。あれ以上のことを、僕はできなかった。最高だと言ってCDを買ってくれたお客さんがいた。すべて、あなた方に委ねます。ありがとう。
トリは、アベシ。この男をライバルとして意識せざるを得なくなったのは、実は去年くらいのことである。そう、『裸の魂vol.5』で福井にアベシが歌いに来た時、彼がそれまでの殻を破り大きく成長を遂げつつあることを知った。その時の模様→http://t-matsunami.com/blog/654/
そして今年2017年4月、東京での拙企画『咆哮の夜』で、アベシの現時点での完成形に向かう姿を見た。そして、この日本海ツアーである。彼の前進は続いていた。安定感もあるし、だいぶ仕上がっていたな。アベシと僕の行く末、それはきっと素晴らしい場所だと思える、堂々たる歌いっぷりだった。
梅さんは、自分の出番が終わったら泥酔して眠ってしまっていたのだが、打ち上げには復活して参加。結局アベシを交え朝まで行ってしまった。何を話したのかは全然覚えていない。気付いたら外が明るくなっていたことしかわからない。前途多難な日本海ツアーの始まりであった。
つ・づ・く