2017.8.2.(水)

オルタナツアー山口編

７月２８日。僕は金曜の夜に岡山駅に着いた。

新譜『オルタナティブ』発売に伴うツアー山口編、周南RISEに向かうため出発したが、鈍行列車では始発で福井を出ても山口県に着かない。ということで、前日夜のうちに移動できるところまで移動しようと、福井を出て、何とか岡山までは到着できたと言う訳だ。岡山まで来れたなら、翌日は周南RISEの入り時間に間に合う。

岡山駅。降りたことはあるが、まだ岡山県でライブをしたことはない。これから繋がりができればいいなと思っている。駅前には桃太郎の銅像が立ち、巨大な桃の張りぼてが商店街の入り口に飾られている。ここは桃太郎の国なのだ。

一人居酒屋に入り、静かにささやかに飲む。外は夏の夜の蒸し暑さだ。ビールが喉に心地よい。

翌日朝、僕は岡山を発った。山陽本線に揺られ、一路山口県へ。空の駅。

瀬戸内海が見える。僕は日本海のそばに住んでいるから、瀬戸内海が珍しい。日本海とも太平洋とも違う海。だけど全部繋がった一つの海だ。瀬戸内海の景色もまた、格別だ。

何度かの乗り換えを経て、電車は山口県に入った。長い道のりだったけど、小説の文庫本を一冊持ってきた。ページをめくり、明治時代や昭和初期にイメージを移す。目を上げれば平成の瀬戸内海。でもこの景色はきっと明治時代から変わらないだろうな。

電車は進み、山口県は徳山駅に到着。目指す周南RISEの最寄り駅である。改札を通り抜け、駅前に降り立ってみる。少し寂れた雰囲気が、何故か懐かしい。ここは好きなところだなー。

駅から徒歩５分くらいで、この日の海上、周南RISEに到着。

周南RISEは、評判の箱である。こんな片田舎にあって何がどんな風に評判か
それは、色々な地方の人たちの出会いの場になっているからだ。ツアーの人たちを積極的にブッキングする。山口県以外の人たちがここ周南RISEで初めて出会い、繋がっていくということがよくあるのだ。攻めているライブハウスと言っていい。僕も評判は随分前から聞いていて、いつか来れたらなあと思っていた場所だったのである。

この日は、神戸ののぶ企画。のぶさんはそもそもが飲み友達から始まったような人で、飲み会での対バンは何度もしてるんだけど（笑）、音楽の対バンは５月に初めてしたばかり。何って言うかだね、いいんだよね（笑）。のぶさんは両親が山口の出とかで、ここ２年くらい周南RISEでちょくちょくやっていて、この日の初企画にこぎ着けた。しかも自身のレコ発である。

始まった。のぶさんがメンバーを務める「無きにしも非ず」
メンバーそれぞれが演奏者としての能力が高い。バイオリンのTAMIちゃんは多才な人です

この日唯一の地元アクト、室崎和之さん。もう還暦近いとのことですが、ここ最近活動を広げているそうで
何ていうか、この年齢でだからこそ出せる味がある。もちろん歳なんて関係ないし、出せない人は出せない
彼が凄いんだと思います。

大阪のminor syndrome。音楽の中に入り込む。
出番前だからちゃんと全部目の前で聴けなかったけど、楽屋でしみじみ聴いていた。また会いたいね。

この後、僕の出番。一曲のぶさんとコラボ。ステージでやってみてもわかるんだけど、周南RISE、とてもいいライブハウスだ。
照明も凄いし、音も良い。音楽を、出ている出演者を、大事にしているところだね。のぶさんとのコラボは、「暁」
やっぱりこの人、こういう曲好きなんだな。泣きの人だね。笑

トリは企画者ののぶさん。いつもは大体したたかに酔ってステージに上がるんだが、この日は企画者だしトリだしで、ちょっと酒を控え目にして臨んだライブだったが、本人は不本意な出来だったらしい。「酒が足りなかった」って言ってたよ。笑　でもこういうところもらしいというか。僕は彼が大好きである。いかつい顔してあの歌声を聞くと、何だか本当に懐かしい気持ちになってしまう。