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2014.8.10.(日)

四谷レボリューション

 8月第2週。怒涛の一週間が終わった。皮切りになったのは、8月4日(月)@四谷アウトブレイク。ウワサがウワサを呼ぶ、今もっとも東京都内で攻めているであろうライブハウス。もうロックのコンサートのみに限らず、お笑い、食品メーカーとのコラボ、エロ、サブカル、もはやエンターテインメントに関わることならジャンルを問わず飲み込み、四谷スタイルに仕立て上げる。その身体を張り、魂を削るような運営を取り仕切るのは店長・佐藤氏(通称ブーンさん)。

 

 しかしながら、この日のイベントは店でブッカーを務める、青柳仁志の企画であった。彼はthe8flagというバンドのボーカル・ギターであり、僕が以前在籍していたバンド一寸笑劇で知り合った。彼がアコースティック/弾き語りのまったく新しいライブのスタイルとして提示したのがこの日のイベント、『四谷の「わ」vol.1』だ。

 

 もう、企画自体が斬新過ぎると言わなければならない。出演者(この日は6名)が「輪」になり、一曲ずつ交代で歌っていき、ひとりにつき合計5曲披露するというもの。つまり順番通り演奏していけば、輪っかを5周することになる。こんな企画、いやはやありそうでなかったというか、少なくとも僕は他のライブハウス等で似たような企画が行われているのを、見たことがない。出演者は、自分の出番が最初から最後までちまちま続いて、終始緊張感にさらされ続ける。自分の出番が終わって、ホッと一息、さて酒でも飲んで後は楽しみましょうか、などという通常のライブスタイルでよくあるようなことは、許されないのだ。

 リハーサルでは、まずは会場の配置、場所決めが行われた。

 イメージは、こんな感じ。場所は、あみだくじで決めました。正確には輪っかではないんだけど、イメージは輪っかです。

 リハーサルの風景。輪っかの真ん中には桟敷席を作って、くつろげるようにした。

 僕は1番目だった。つまり僕から始まり、時計回りにオショー→富山…と進んでいく。自分の前の人がどんな感じの曲をやったかによって選曲が変わってくる可能性もあるし、逆に次に歌う人にプレッシャーをかけることもできる…という訳。笑

 しかし、僕から始まりトキシラズのアベシまで一周したところで早くも企画者仁志が流れを変えてきた。2週目は番号2番のオショーからスタートしましょうと言うことになった。つまり僕は2週目は最後ということになる。

 そんな感じで3週終わった。4週目からは、ただ輪っかを回すだけでは飽き足らなくなってきたのか、指名制に変わった。これは面白い。つまり、歌い終わった人が、次に歌う人を指名するのだ。いつ自分の出番が来るのかわからず、とても面白い。僕は誰から指名されても受けて立つつもりでいたが、予想通りというか、僕を指名したのは一寸笑劇の富山でした。元バンドメイト。来ると思ってたよ。笑

 最後の5周目は、僕はトリでした。これも実は予想通りだったんだけど。終わってみて、わかったのが、最初から最後までいるお客さんが他のイベントに比べてたくさんいたように感じたこと。自分の目当ての出演者の出番が終わってしまうと、そそくさと帰ってしまうお客さんも通常のイベントではよくあることだが、出演者の出番が最初から最後までちょこちょこある今回のイベントの進行だと、目当ての出演者の曲をすべて聴こうと思ったら、最初から最後までいなくてはならない。その間、まったく知らなくても他の出演者の演奏も聴くことになる。もしかしたら、お気に入りのアーティストが見つかるかも知れない。世界が広がるのは、そんなちょっとしたことがキッカケだったりする。自分の知っている世界にとどまっているだけでは、新しい景色や新しい価値観は得ることができないんだと思う。

 この日の四谷のイベントは、そんな斬新な、マネをしたくなるような素晴らしい企画だったと思う。弾き語りイベントの革命を謳うだけのことはあるんじゃないか。事実、革命=revolutionとは回転を意味する。


 これはアウトブレイク店長ブーン氏の短パン。おかしなものを履いている。そのうち本当に革命を起こすかも知れない、そんな人。ブッカーの仁志もそんなブーン氏の背中を見て日々を過ごしている。

 ライブが終わった後は、一寸笑劇の富山と四谷ブッカー仁志と、吉祥寺に場所を移して朝まで飲み&ラーメン。久しぶりに馴染みとじっくりと時間を過ごせてよかった。

 白む東の空は、新しい夜明け。革命の兆し。

 翌日に続く。

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