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2014.11.6.(木)

ハートに火をつけて

 11月3日、福井CHOPは一つの勝負に出た。お世辞にも盛り上がっているとは言えない福井の音楽シーン(まあ今の時代に僕はシーンというものの存在すら感じていないけど)に危機感を抱いて、あるイベントの開催を決意したのだ。

『Set Fire』

と銘打たれたライブ。福井の若手を10バンド集めて、大学生以下は無料というリスキーなイベントを開催。その10バンドの中に、松並哲也も弾き語りでは唯一混ぜてもらいました。しかも若くはないしね。笑

 僕はちょっと遅れて会場入りしたんだけど、すでに駐車場からCHOPに向かう、おそらく学生たちの姿が見えた。CHOPの前にもすでにオープン後からすぐにたくさん人が集まっていた。期待感ある。そう、期待感が必要だ。あとはミュージシャンがその期待にこたえられるか、理想を言えばその期待を超えられるかにかかってる。

 僕も出演者ながら、精一杯この日は楽しもうと決めていたから、会場入りするなり挨拶もそこそこに飲み始めた。おかげでもののの30分ほどで酔っ払いが1名完成。普段弾き語りをしているだけでは対バンすることもあんまりないバンドたちともこの日は共演できるということで、楽しみにしてきた。もちろん、僕を観たことのないお客さんもたくさんいるだろうから、存分にアピールするつもりだった。

 そうこうやっているうちにライブが始まった。さすがにバンド数が多いからか、きっちりオンタイムでのスタート。1番手はekesetene。ドラマーのたなちゅーとは面識があったが、対バンは初。teなどの影響を感じさせる、ポストロック的インストバンドだ。うむ、カッコいい。なぜ1番手になったかというと、たなちゅーが酒を飲み過ぎるとバンドとして機能しなくなるので、そうなったという話だ。良いテンションでトッパー終了。

 2番手、diction。全員高校生の女の子。カバー曲も交えオリジナル曲を披露。CHOPは、高校生たちから敷居が高い、怖いと思われているらしく(笑)、高校生バンドが非常に少ない。みんなホールビーに行っちゃう。で、高校生は高校生バンドばかり集まってイベントしたりするから、僕も彼女らを見るのは初めて。CHOPも高校生バンドが出やすい環境になればいいと思ってる。何せ、高校生くらいのやつらはみんな天才だからね。経験を積んだ後では出せない音やフレーズを、平気で出してくる。彼女らもそう。

 3番手、BULLDOG。彼らとはCHOPの何気ないブッキングライブで知り合った。確か和歌山からsayonara17とかが来てた日かな。何と名田庄の出身だという。名田庄とは、福井の最南端に位置する、まあ。。。農村で、笑 同じ福井とは言っても最北端近くに住んでいる僕なんかとはまず関わりが生まれない土地。そこから高速使って1時間半かけて来てる。それだけでも感動的だが、日本語でメロコアをやるというありそうでなさそうなことをやっていて、センスもある。そしてこの日はニューヒーローの誕生を予感させるライブをしていた。自然発生的にダイブが発生したり。高校生たちのみならず、目を輝かせて見ているやつらがいたのを、僕は知っている。僕が応援しているバンドだ。

 4番手、ButsudanSP。彼らも実は何回も観ている。対バンは初めて。福井のバンド界隈では人気のあるバンドの一つだ。ボーカルのウォーリーくんは富山の人で、富山在住。この日も富山から来ていたが、何と当日か前日かにおじいちゃんが亡くなったということだった。しかしライブのために福井に来て、こうやってステージに立った。見上げたものである。様々な想いが去来していただろうが。そして出番が終わって間もなくして富山に帰っていった。次はゆっくり話でもしたいところだ。

 5番手、Lost Pain。このバンドも何回か観ている。対バンは初めてだし、前任の女の子ドラマーが脱退してドラムが変わったらしく、新しい編成を観るのも初めて。自分の出番直前であまり観られなかったが、楽屋で聞いてるだけでもすでに違う。まったく別のバンドのようにサウンドが強力になっているがわかった。音楽的にはスクリーモと呼ばれているジャンルになるのかな。実は福井にはこの手のジャンルをやるバンドがほとんどいない。彼らが牽引役になろうとしているんだろうな。まだまだポテンシャルを秘めたバンドだけに、先が楽しみだ。

 6番手、松並哲也。写真はブラックストン氏のものを拝借。ステージ上から、すごくいい景色が見られたよ。ポジティブさに満ちていて、そんな場で歌わせてもらえたことを感謝している。終わった後声かけてくれた人たちも、またどこかで会えたら嬉しい。以上!

 7番手、空想科学TV。何回も観てるが、対バンは初。まあ、この日はほとんどそんな感じだったね。笑 何だろうね、テクノ風味のバンドというか、パフュームをもっとバンドサウンド的にしたと言えばわかりやすいかな。これも福井にはいないタイプのバンドだ。最近CDを出して、僕も聴いたけど、楽曲やアレンジの完成度が高くて、よかった。この日出た中でも、僕の次くらいに異彩を放っていたんじゃないかな。笑 CDもよく売れていたみたいだった。

 8番手、×84(カケハシ)。メロディックパンクバンド。歌詞は日本語と英語のハイブリッド。ここ最近活動を開始したばかりのようで、僕は10月にもホールビーで対バンしていて、2回目の対バン。まず言えることは、バンド経験が浅いとは思えないほど、メロディーセンスが抜群ってことだ。ただ、本人たち的にはこの日は不本意なライブだったらしい。必ずリベンジしてくれるだろうと思う。

 9番手、メガホンズ。高校生バンド。まあ僕との関わりで言えば一緒にコラボレーションでバンドもやってるし、説明不要的な彼らだな。まあ始まった途端、会場が揺れる揺れる。この日一番の盛り上がりだった。彼らは高校卒業後、バンドで東京に行って勝負するらしい。福井では知名度も高くて人気もある彼らの真価が問われるのは、これからだ。まあ東京に行っても、これからの人生でまだまだ関わりそうなやつらだね。笑

 10番手、トリを飾るのはMY REJECT。僕は共演するのも観るのも初めて。よく名前は聞いていた。福井velvetのスケジュールに載っているのをよく見る。メロディックハードコアバンドかな。メロディーやアンサンブルは完成して、ライブに余裕が感じられる。僕も好きなメロコアバンドがいくつかあって、Bad ReligionやPENNYWISEなどが大好きだが、男らしくて安心して聴ける雰囲気だった。西海岸的ちゅうのかな。間違ってたらすまんが。笑 最近ね、メロコアやってます!って若いバンドの中でも、Bad ReligionやPENNYWISE

のことを知らない人もたくさんいて、驚く。メロコア始めたバンドを知らんとは…。まあでもそれが世代ってやつかな。受け継がれていくものだしね。

 遅れてきた大型新人、BULLDOGと。

 終わった後は残っていた何人かと福亭へ。ekeseteneのたなちゅーは酔ってぐでんぐでん。僕もかなり飲んでいたので、チョップに戻って車中泊。

 目覚めてみると、朝焼けが綺麗だった。

 この夜明けが、福井の音楽シーンにとっても新しい夜明けでありますように。

 次の夜に続く。

(追記)

この日イベントを発案し、バンドを集め、僕に出演の話をくれた、福井CHOP店長、塚谷純氏に、お疲れ様と感謝を。そして、対バンの皆さん、そしてそして何より会場に集まってくれたオーディエンスの皆さんに最上級の感謝を。ありがとう。

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