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2015.7.22.(水)

ニュー・デイズ

 福井ノーサイドでライブする時はいつも、存在というものを考える。自分の存在が、脅かされるかも知れないという危機感が、心の隅につきまとう。それほど、ノーサイドというライブハウスのブッキングは、強烈な個性を持った、そんな人たちを集める。

 この日も、そんな一日だった。福井からは僕と皇帝魚、F.F.F、大阪から露天商心詩、京都からけん蔵。この日他のライブハウスがどんなブッキングでイベントをしていたか知らないが、福井で一番濃い夜であろうことは、疑いようもないはず。

 ノーサイドに到着すると、すでに大阪から露天商心詩さんご一行が到着されていた。初対面でいきなりハイテンションでニッコリ握手をして、くるりと後ろを向くと、自分の髪型を指して「どや?カブトガニみたいやろ?」とジョーク。関西人、いや大阪の人というのはこうだ。距離を一気に詰めてくる。

 リハーサル時もそうだし、常にハイテンションで、喋り、ギターを弾き、歌っている。関西だなあ。僕はどちらかというとあまり普段のテンションは高い方ではない。ステージに上がる人間には2種類いて、一方はオフステージとオンステージで感じが違う人。もう一方は、ライブ中もステージを降りてからも、まったく感じが同じ人。僕は自分ではよくわからないが、違う、と言われる。露天商心詩さんは間違いなく、同じだ。


 

 早速1番手は僕。この日は非常に暑い日だった。リハーサル中から大量発汗していたが、本番ステージはさらに大量に汗を失い、Tシャツが透けるほどにヒートアップ。もうグダグダ言うことはなしにしたいが、やり切ったとしか言いようがない。替えのTシャツを持っていなかったので(自分をわかってない)、若さんから皇帝魚Tシャツを買う。

 2番手のけん蔵さんがまだ到着されないということで、皇帝魚が2番手。この日の若さんはいつもと違った凄味があった。MCもほとんどなしで、どんどん歌う。自身は静かな表情だが、その声は熱を帯びていて、僕は台風の目のようだ、と思ったものだ。周りには嵐が起こってる。その表情はいつも静かだが、内側には高温で燃え続ける炎がある。福井が誇るべきロック詩人で、アーティストだ。

 3番手は露天商心詩さん。「浪速のジミー・ペイジ」の異名をとることからもわかるが、大変なレッド・ツェッペリンフリークである。が、彼の場合はフリークという立ち位置にとどまらず、自分の人生そのものにまでなってしまっている。ジミー・ペイジだけでなく、その歌声のプラント度も相当で、アコギ一本でツェッペリンのみならずロックの名曲の日本語詞カバーを次々繰り出す。オリジナルも最後に一曲披露してくれた。

 まだけん蔵さんが到着されないということで、いつもはトリを務めることが多いFFFがここで登場。彼らのライブはいつもすごい。この日は新しいCDの先行販売をしていて、もちろん僕も買った。とても楽しみにしていたCDだ。弦を切り、チューニングを狂わせて、この日も最高にロックしていた。僕は彼らのライブを観ると、とても癒される。それが通常の癒しと同じ意味合いのものなのかは、果たしてわからないが、何か許してもらっているような、認めてくれているような、そんな包容力があるのは、確かに言えること。

 FFFの途中で、けん蔵さんが到着。FFFの後に誰かが演奏するというのは僕が知る限り今までなかったことなので、何か不思議な感じがする。結論から言うと、僕が今まで観た弾き語りの中で1、2を争う暑苦しさだった。終始ステージおよびステージ下を歩き回り(ギターはワイヤレス)、叫び、踊る。彼のような運動量の多いステージを想像するだけで疲れてくるが、聴いている立場では、疲れるどころか、どんどん元気になっていくような、そんなライブ。彼はオンステージとオフステージでは、違う人、だと思う。雰囲気がね。

 まあいかなノーサイドでもこれだけ濃い日もそうそうないと思うが、この夜を越えたことで、僕はまた新しい感覚で次のシーンを迎えられるような、そんな気がしている。

 最近、ノーサイドのこの濃さにハマってしまって、度々足を運ぶようになったリスナーの方を何人も知っている。僕も、色んな人に、一度この空間を試してもらいたいものだと思っている。

 新しい感覚は、扉の向こうでいつでもあなたを待っている。

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