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2015.9.24.(木)

ロックンロールへ続く参道

 松波哲也のCD『遠くのひかり』発売にともなうツアーという名目で、まだまだダラダラとやっている遠征。8月後半は仁義なき戦いツアー以来の長野と、今年の1月以来の新潟三条ということで、楽しみ過ぎてもはや戦いに赴くというよりはわーい、わーいと遊びに出かける感覚に近く、道中これではいかんと頭を振ってみたりもした。

 福井からは北陸自動車道で上越ジャンクションまで行き、そこから上信越自動車道に入る。長野らしいいかにも高原然、とした風景を雄大に見ながら長野須坂インターを降りる。約4時間前後の旅だ。人類が今までしてきた過酷な旅を思えば、たかだか4時間で着いてしまうものなど旅とは呼べないかも知れない。それ程に長野も福井から近い。それでも、大抵の人々は自分の生活に追われ、片道2時間程度の遠足にすらなかなか出られないものだ。長野の地も、踏み締めるように感じたいと僕は思った。

 この日のライブの会場は、2014年に『仁義なき戦いツアー』で来たことのあるライブハウス、長野CLUB JUNK BOXの系列のお店。the Venueという、キャパ50ほどのアコースティック/クラブイベント向きのスペースだ。

 なるほど、アコースティック/ソロには本当にちょうどいいサイズの、かゆいところに手が届く、そんなライブハウスに思える。

 できてまだ間もないらしい。ジャンクボックスの入っているビルの、道を挟んで反対側にある。

 リハーサルを終えると僕は街を散歩した。ツアー先でのライブハウス近辺の散歩は、できればしてみたい。そこの人々が住んでいる街を見てみなければ、お話にならない気もする。ツアー車→ライブハウス→打ち上げ→の繰り返しでは、わからないことも多い。前回来た時は、新しい長野駅のビルはできていなかった。こうして街は更新を繰り返していく。変わり続ける中での変わらなさとは一体何か。

 この日の出演者は僕を含めて3人。平日ブッキングの難しさを考えるが、そんな中でも共演者をブッキングしてくれたのには感謝の念が絶えない。

 zuki!さん。バンド上がりっぽい雰囲気を持っているが、実は逆で、バンドをやりたいから弾き語りを始めたのだという。でも実は凄くまっとうなプロセスのような気がする。ひとりでできなければバンドをやっても大したことはできないかも知れない。中心核たるギターボーカル・ソングライターならなおさらだ。

 この日ブッキングをお願いした長野CLUB JUNK BOXの前川氏の高校時代からの同級生だというながぬまゆうすけ氏。何か人生というか、彼の生活や思想が透けて見えるような歌だった。上手いだけでその辺が全然見えてこない人も多いけど。

 僭越ながら、僕はトリを務めさせてもらった。長野の夜に、自分の歌が再び響いて溶けていくことが、何よりうれしい。久しぶりの人にも会えたし。

 打ち上げは長野では遅くまでやっているお店の一つという、「エニシング」という一風変わった居酒屋。長野の話や、これからの話などさせてもらったが、ここのメニューにある「豚汁ラーメン」というのが、自分的にはかなりの逸品すぎて感動。長野名物、「八幡屋礒五郎」の七味唐辛子を多めにかけると、ナンボでもするする入ってしまい、おかわりすることに。店員のちょっと戸惑った顔が忘れられない。

 打ち上げ後は、長野の夜の街を散歩しながら善光寺に行くことに。前川さんやズキちゃんがあれやこれや教えてくれて、長野という街の姿がまた見えてきた気がした。写真は長野のアンダーグラウンドなカルチャーの発信地として知られるネオンホール。僕もいつかこの空間でライブをしてみたいと思っている。

長野NEON HALL

http://www.neonhall.com/

 夜の善光寺。善光寺に限らず、静まり返った夜の寺社仏閣というのは、昼間よりもはるかに聖性を感じさせる。門前町として賑やかに発展してきた長野だが、その陰や隙間には密かなる祈りがある。

 長野はその陰や隙間の部分に、とんでもない面白さがある気がしている。もちろんこれはどこでも同じかもしれないが、観光地として全国的に有名な善光寺を抱えるこの地だからこその、そんなロックンロールもあるだろう。ロックンロールは闇から生まれ、苦しみをドライブする。

 前川氏やズキちゃんと別れ、車に戻って眠ることにした。

 翌日に続く。

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