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2017.3.11.(土)

裸の魂vol.7 1日目後記!

『裸の魂』も先日開催された回で7回目を数えた。vol.5で復活以降も、順調に回を重ねることができて、参加する人の熱意と、回ごとに増えるお客さんの熱意とを感じずにはいられない。vol.7でも県内を始め県外からも、様々な個性を持った弾き語リストが集まってくれた。裸の魂というイベントは、あらゆるコミュニティ、あらゆる世代、あらゆるタイプの弾き語りベースの出演者を一堂に会させるというのが、一つの大きなテーマになっている(ぶっちゃけ、それだけと言い切ってしまってもいい)。誰かと誰かが出会えば、新しい動きなど勝手に起こる。ただキャスティングに関わる側としては、誰と誰を出会わせようか、というのは結構考えどころである。もちろん出演者の都合で出演日や順番が決まってしまうことも多々あるので、偶然の要素も多分にある。が、本当の出会いというのは、出会うべくして出会うというものだと思っているので、日々の、その時々の直感を信じるのみだ。

さて、今回も始まった2日間、全20組の熱いステージ『裸の魂』。1日目トップバッターは、いほまえだ。普段はバンド「ONE SIDE OF ME」でドラムを担当している。ドラムを叩きながらもメインボーカルを取る曲があったり、歌に対する姿勢は、他のドラマーとは一線を画すところがあるようだ。弾き語りも好きで、1月に河和田で行われた『弾き語り新年会』にも参加していた。本格的な弾き語りライブはこれが初めて。だが、初めてとは思えない度胸の座りっぷり。オリジナル曲まで披露。これからの活動が楽しみ。すでに弾き語りで次のライブが決まったとか。

Hiromiさん。バンドやユニットなどでボーカルをしていたが、最近はアコースティック方面の活動が多いようだ。50歳で初めて弾き語りデビューしたのが、遡ること2年前の『裸の魂vol.2』だった。もう2年も経っていることが驚きだが、この2年で福井の弾き語り界隈を取り巻く状況は大きく一変した。これはここ2年を知っている人なら誰でも体感するところだろう。Hiromiさんも、あの時とは比べものにならない上達ぶり。ある程度歳をとってからでも、本人の努力次第で進歩できるということの良い実例になった。

オッペケ修行の旅。バンド「オッペケのが丸エイト」のフロントマン2人によるアコースティックデュオ。原曲をオリジナルキーで歌いこなすほどにベースとなる歌唱力は高い。どの世代でも反応してしまう曲が1曲はあるというほど、選曲の世代も広い。筆者も以前、彼らがエレファントカシマシのカバーをしているのを聞いて、思わず手を挙げてしまったことがある。毎回のライブで新しいレパートリーに挑戦するなど意欲も高いし、彼らは彼らなりの課題を感じていて、今後はそこに挑戦していきたいということだった。

石川は小松から森田観光。曲を作り始めたのが27歳の時と言うから、結構遅い方ではあると思うが、そんな中で小松でワンマンライブを大成功させ、音源制作も進行中らしく、この現役感が他のミュージシャンやお客さんに与える活気って凄くあると思うし、筆者と同じ歳だそうで、そう言った意味でも頑張ってもらいたい存在である。客席を笑わせ盛り上げる技術は、福井の弾き語りにはまだまだ足りないことだと思うし、勉強になった人も多かったのではないだろうか。

筆者。この日は司会と出演がやむなく重なってしまい、終始落ち着かない気持ちで過ごしていたが、そういった点でも今までの裸の魂でも一番勉強になった回だったと思う。それは、心の話、精神の話。無理な体勢からでも強いパンチ打てるのが、本物でしょ。観てくれた方、CDをお買いあげの方、ありがとうございました。

大越佑華。福井ピアノ弾き語りの中でも、注目株、成長株。まあ何しろ進化のスピードが速い気がする。本人もMCで言っていたが、喉の結節により声があまり出ない現状を踏まえても、確かなステージだったと思う。幸い喉は快方に向かっているようだし、喉の調子が悪い間も曲作りは進んでいたようで、今後が楽しみなのには変わりがない。相変わらず歌っている時と喋っている時のギャップが激しく、ここらへんがファンをくすぐるところなんだなと思う。

青木しげおさん。青木さんのカムバックについてはもうご本人もそうだし色々なところで語られているところではあるが、ここでも簡単に触れたい。家庭の事情、個人の事情で22年間ほとんどミュージシャン活動から遠ざかっていたにもかかわらず、1年ほど前にライブ活動の場にカムバック。休止中はほとんどギターにも触っていなかったようだが、再開後は新曲もたくさんできているようで、ギターも並のレベル以上のところまで復調しているようだ。今年は音源の制作も考えているようで、個人的にもすごく楽しみ。

青木さんがステージに上がった時点で、満員御礼。

秋本美穂。写真撮り忘れにつき、この人だけアー写。ルーパー使いとして仲間内では知られてるんだが、この日はルーパー一切使わなかった。それがこの日の秋本美穂を何よりも物語っていたと思う。秋本美穂の音楽は、やはり詞が、詩がよく響く。この日の誰よりもそれは顕著に感じられた。歌もライブの度ごとにエモーショナルさを増している。翌日は司会も控えているし、色んな方面で急成長を見せているひとり。

 

或ル日。二人とも福岡出身で、幼馴染。東京でも縁あってアコースティックデュオ或ル日を結成した。彼らの本拠地である新宿ANTIKNOCKの縁で出会い、こうして福井まで来てもらった。あの激情の歌唱は、福井に充分爪あとを遺していったのではないだろうか。ルックス的にも、ヤスイシンヤとヤマノレイの対比が際立っていて、印象深かった。

1日目トリは、皇帝魚。vol.4以来の登場となったが、この日もまた彼にしかできない、そんな凄いライブだった。あの声とグレッチギターのトーン、詩世界があれば、そこがどこであれ、一瞬で皇帝魚ワールドに引き込んでしまう。オーバーグラウンドだとかアンダーグラウンドだとか下らない線引き(少なくとも僕はそう思っている)を軽々と越える、そんな力を秘めた音楽を放っている。

そんな皇帝魚に臆面もなくインタビューを敢行してしまうのも裸の魂ならでは。彼の口から、皆にわかりやすい言葉で彼の音楽に対する考え方が聞けるのは、珍しいことだと思う。司会は不肖松波と、よしだゆうすけ。この二人のコンビも板に付いてきた。そろそろ崩したいところだとは思う。翌日はよしだゆうすけもステージに登場。

こうして普段活動しているフィールド、属しているコミュニティを越えて集まること、『裸の魂』の意義、目的は極端に言ってしまうとそれだけ、である。あとはそういった異なるものが出会うことによって起こる摩擦や調和が、勝手に次の流れを生んでくれる。福井の音楽は、こうして変わりつつある。

翌日に続く!

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