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2017.7.4.(火)

オルタナツアー和歌山編

大阪を出て和歌山に向かう。前日の神戸は朝方まで飲んで行き場をなくし、結局カラオケで仮眠を取ったのだった。しかし結局睡眠時間が足らず、早朝大阪まで移動し、落ち着ける場所を探しもう一眠り。睡眠時間はやはりある程度確保しないと(まあ、時間より質が大事だと思うけど)、声が出なくなってしまう。ライブの時間以外の、打ち上げとかそういうのも大事だけど、やっぱりライブが一番大事だから。

和歌山は快晴of快晴。夏のようなジリジリとした暑さがすでに紀州を覆っていた。

和歌山駅前は、前回来た時とちょっと様子が違った。建物やらはわからないし、前と同じかも知れないが、雰囲気が違う。前はもっと閑散としていたと思う。が、今回は明らかに人が多いし、活気が感じられる。歩いている若い女の子たちを見ていると、どうやらアイドルだかなんだかのライブがこの近くであるらしい。和歌山県外からも電車に乗って、たくさん人がやって来ているらしかった。

前回和歌山に行った時のブログ→http://t-matsunami.com/blog/587/   http://t-matsunami.com/blog/588/

電車からの風景を見るに、和歌山も福井と変わらないくらいの田舎である。街や、人や…もちろんライブハウスを取り巻く状況だって似たようなものがあるだろう。福井の景色も好きだが、僕は和歌山の、紀州の田舎の風景も好きだ。同じようで、やはり何かが違う。紀州には紀州の育んできた歴史がある。その辺の立木1本にすら。

和歌山駅から歩くこと15分ほど、この日の会場、和歌山サラスバティに到着。この日の陽気に、すでに首筋に汗が流れる。

天井が非常に高く、外の見える窓が広い。とても開放感のある空間だ。オーナーの息子さんは、「毛皮のマリーズ」という有名なロックバンドでギターを弾いていたということだ。リハーサルを終えた。会場の見た目通りの、開放感のある音がしていたように思う。

会場は雑居ビルの5階。外階段からの風景。和歌山の街だ。街が歳をとって衰退し、今また若い世代が何かを始めようとしている。福井と同じだ。何気ない街の風景だが、グッと来るものがある。空は広く、西日は熱かった。

和歌山でのライブを仕切ってくれた、sayonara17のスティーブと再会。ずいぶんと痩せた。僕は逆に太ったね。

リハーサルや会場セッティングを終え、開演を待つ和歌山サラスバティ。窓の外では斜めに射す西日が街を輝かせている。間もなく夜がやって来ようとしているのだ。

窓の外で西日射す、そんな黄昏時にライブは始まった。前回和歌山に来た時も共演した、松本陽太くん。「和歌山フォークの雄」である。例えば高田渡や吉田拓郎、加川良に代表される日本のフォークに多大な影響を受けている、のだが、彼の作る曲は、そういったフォークの洗礼を受ける前の音楽体験の影響も現れている。彼の代表曲「サンライズ」はまさにそういった曲だ。サンセットに染まる街を背景に聴くサンライズは、格別だった。

この後、僕の出番だった。関西最終日で少々疲れはたまっていたし、体力の消耗ぶりも相変わらずだったけど、良い空気の中歌わせてもらった。CDもたくさん売れたし、本当に嬉しかった。今回は共演できなかったが、旧知のみんながお客として会場に来てくれていたし、再会も嬉しい夜だ。

トリを飾るのはsayonara17。久しぶりに観たがパーカッションとキーボードのメンバーが加わって、さらに多彩になった感じだ。リズムセクションは鉄壁。若いのにオッサン臭い渋いフレーズを繰り出す。スティーブの歌は、本人曰く「安全地帯と永ちゃんとマシリトとMUSHA×KUSHAをミックスしただけ」という、今の時代なかなかないものだ。会場がショータイムに揺れる。

すっかり夜も更けていく和歌山の街だ。僕はやっぱりこの街の雰囲気が好きなのだなあ。日曜というのも相まって、静けさがビルの隙間を埋めている。福井の日曜もそういう雰囲気がある。和歌山にいても、福井にいても、ここから始めるんだ、という思いが胸に去来する瞬間を、僕は見逃さない。だからここにいる。

打ち上げは前回同様、「ひまわり」

和歌山では唐揚げが舟に乗ってやって来る。前回共演の十六夜風車の2人とも会えた。ギターのみのちゃんは、すばらしいギター弾きだが、目の付け所というか、そのセンスに共感してしまう。

スティーブから地元での熱い話も聞けたし、和歌山の皆さんには本当にお世話になった。福井と和歌山、似ているようで違う日本の地方、田舎から発信できる新しい何か、僕らはそれぞれの場所で探し続けている。

こうして夜はさらに更けていった。和歌山よありがとう。

 

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